求人広告の「裏ワザ!」へ、ようこそ。
久々の更新になってしまったわけですが、今回はさらに久しぶりに「筆者のつぶやき」カテゴリーで記事を書こうかと思います。というのも、求人広告とはちょっと離れた話題かな、と思ったもので。
20年以上前のことですが、私もサラリーマンをやっていた時期がありました。その当時勤めていた会社というのは、一言で言えば「編プロ」みたいな会社。人の会社の社内報や販促ツールなどを肩代わりして制作する、という会社でして、大手企業との直接取引がある、というのが「売り」でした。ちなみにこの「売り」、求人広告でも大事な訴求ポイントだったりはしますけどね。
で、その時に担当していたのが大手コンビニチェーンの一つでした。決して、7時から11時までとうたいながら24時間営業している最大手のコンビニではなく、マーケティング用語的に言うと「フォロワー」な会社でした。当時、毎月発行の社内報や加盟店向け情報誌などを制作していましたが、その流れでさまざまな制作物のご依頼をいただいたりしていました。その中の一つに、「店舗運営マニュアル」がありました。
その発注を受けるにあたり、担当責任者の方との打ち合わせの機会をいただきました。そこでその方から渡されたのが、最大手のコンビニチェーンの「店舗運営マニュアル」でした。それを渡しながらその方がのたまったのが、
「これをもとに、うち仕様のものにしてくれ」
という話。まだ20代前半の若造だった私ですが、それでも「えー、それってありなの?」と、内心では驚いておりました。
その場では上司と同行しておりましたが、上司は「了解しました」と持ち帰り、その最大手のマニュアルを切り貼りして「原稿」を作成することになりました。その上司は、部下に仕事を任せず自分でやりたがる、よくいるタイプの方でしたので、気がついたらその上司が「原稿」をつくって再度打ち合わせに訪ねたようです。というのも、二度目の同行には私は声をかけられなかったので。その打ち合わせの後、オフィスに戻ってきた上司が私に、
「『原稿』持ってったら、怒られちゃったよ」
とぼやきました。どうやら切り貼りした際、ページ数を表示する横にあるロゴを最大手のもののままにしていったそうで、それに対して「気遣いがない!」と怒られたのだとか。
若造の私ではありましたが、「どっちもどっちだな」と思いました。
これで何が言いたいかというと、どんな業界でもマーケッティング的に「リーダー」と呼ばれる企業を追いかける「フォロワー」の企業は、決して「リーダー」を追い越せない理由がこういうところにある、ということです。全ての企業や業界がそうだとは断言はしませんが、おしなべて「フォロワー」は新しいことを生み出そうとする意識に薄く、「リーダー」の真似をすることに終始しがちだと思います。そんな視点でいろんな業界を見てみると、「ああ、なるほどなあ」と思うことが求人広告の取材をしていてもしばしばあります。「裏ワザ!」的に強いて言うなら、就活生の方に業界研究の一助にしていただけたらと思うようなエピソードをご披露させていただいた、という感じですかね。